今日は映画「東京タワー」を見てきました。
その感想。ほんのりネタバレしております。
まだ観てない人はページ最後の寸評だけ読むことをオススメします。
映画館では、この映画のゆるい雰囲気のせいか、間違って東京タワーを見ることを選択したヤンキーカップルがヒマそうにしていた。
映画を見終わったあと、俺の右手前で見てたカップルがため息をついて席を立った。
劇場が明るくなったとき、左にいた女の子3人連れが
「ん~…まぁ、泣くところがあるような映画じゃなかったね」
と言った。
俺は泣きすぎて赤くなった目を隠しながら歩きましたよ、えぇ。
もうね、これ切ないです。
ただこの切なさの表現のために「おいおい…」というシーンが中盤には目白押し。後半に落差をつけるためとはいえ、中盤を見ているときに俺はさすがに閉口した。というか閉じてられずに「アホか」と何度も呟いた。
でもそこを我慢して乗り越えると、後半は感動すら覚える。寺島しのぶの迫力を見て、すごいなと感じてしまう(といっても、寺島しのぶのオチは酷くて目も当てられない。もっといいオチ思いつかなかったのか。最後まで観て思うのは、結局寺島しのぶ側のペアは描く必要があったのかということ。別に岡田くんと黒木瞳だけでよかったような…)。
この映画は冒頭の映像がすばらしく美しい。
東京タワー、そして宝石ちりばめられた夜景。やさしく流れるBGMに乗せて、すごく美しい景色だ。
純粋な恋を描く映画の冒頭に美しい夜景を持ってきて、ストーリーが夜景に負けたら笑うに笑えないが、岡田准一(だっけ?)と黒木瞳がそれ以上に美しいので全く問題ない。ついでに家具やら部屋やら服装やらも、過剰なほどに美しい。生活感など完全に排斥して表現している。
それは、別にこの映画がリアリティを求めていないからだと思う。
実際にこの映画の脚本は「ありえねーーー」っていう表現が多い。簡単に表現すれば昼メロ的展開である。
違うのは、過剰に「美しい」こと。
僕は「東京タワーってどんな映画だった?」と聞かれたら「美しさを楽しむ映画だと思う」と答える。
映画の前半では大して美しくなかった不純な恋が、徐々に映画の美しい表現に濾過されて美しい存在になっているように感じる。
しかし俺はなぜ泣いてしまったのだろうかねぇ、自分でも不思議だ。
最後の方になってきて、無償の、盲目的愛情に泣いたのかな。その危うい儚さ、脆さには本人達が気付かないこと、実は気付いていつつもブレーキがかけられないという状況、そしてそれは現実ではありえないってことも含めて、泣けたんだな、たぶん。
あと、教訓。
映画館で一人純愛映画をみてベソベソ泣くのは、非常に居心地が悪い。誰かと一緒に行きましょう。
■結論
結局俺が愛情に飢えているだけなのだと思う。
評価:2/5 ★★☆☆☆
寸評:夜景の美しさは特筆もの。描かれた恋も十分に美しい。ただしストーリーは昼メロ。総合して、俺はこの映画かなり好き。DVD買ってもいい。が、万人向けではない。
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