【★1】映画「ゲド戦記」~映画制作の基本が抑えられてない【感想】

2006/08/05

★1 映画ドラマ批評

観てきたよ、ゲド戦記。金曜日のレイトショーで。いやー、笑った笑った。かなり笑える映画でした。
でも、最低の駄作を期待して観にいったのだが、ハウルよりまとまったできばえになっており、俺的最低映画のハウルを超えるダメさは無かった。


全体としては、ハウルよりまとまっている、というだけで、局所的に見るとかなり笑いを堪えるのに必死になる映画だった。

意外と序盤はスムーズな立ち上がりで良かった。
「みろ、ポートタウンだ」というあたりから、主人公が囚われるまでの無駄な尺はあくびが出るほど無駄だった。「退廃的イメージ」の描き方はステレオタイプすぎて小ゲロが出そうだった。セリフがしょぼすぎる。脚本がヒドいね。
しかしまぁあの町を一望するシーンでもそうなんだが、これがジブリなのかと思うほどに一枚絵のクオリティが低いね。気になった。

それと、あの一連のシーンで登場するクロトワ風の人の声優(香川照之)のレベルの低さがどうしようもなかったね。脚本もひどいし演技もひどい。

あと、あのテルーの性格が首尾一貫してないのが気になった。ていうか歌うたったら突然打ち解けちゃうあたりとか、もう腹を抱えて笑った。映画館でクスクスと笑いを堪えるのに必死。あれはねぇだろ。
大体CMにもなってる「命を大切にしないやつ」うんぬんのくだりなんか、もうテルーの性格が異常すぎて笑った。
そのくせ、ゲドの女がさらわれるシーンでは「どうしたの?」とかいって、のこのこ軒先に出てくるし。お前、人前には出られない性格なんじゃなかったのかよ。
あの、ゲドの女の演技も脚本もひどかったなぁ。「やめろ悪党~」みたいなセリフはもう聞くに堪えない。失笑、失笑。

しかし、あのゲドの女の家まわりでも作画レベルが低いんだが、家のドアの大きさと人物の大きさの対比が明らかにおかしいんだよ。なんであんなことに気付かないんだろう、っていうか気付いてても直す時間が無かったのかな。

あと、無意味なカットインは、あれは何なの? 突然ヒーローとヒロインが抱き合うと、背景が水平線になって、そこに竜がドッギャーン! って。なんだそりゃ。意味不明すぎる。

まぁでもテーマとしては「生き死にとは何か」というのを頭からなぞっているわけで、別に悪いとは思わないね。ゲドが「世界の均衡がウンヌン」みたいなことを定期的に言うのだが、それは意味不明で別にいい。問題は世界のバランスが崩れていることじゃないしね。王様が死んでその国がどうなったとか、その辺もノータッチだし、そもそもゲドはどういう調査をしていたのかとか、そういうのもノータッチ、均衡を崩しているのが人間界に降りてきた竜なのでは、という調査をしていて、あのストーリーでは均衡を崩しているのはテルーということになるわけだが、それもスルー。なんだったんだよ、ゲドの存在は、と思いながらも、とりあえずメインのテーマは「死あるが故の、精一杯の輝ける生」というテーマを描くことには成功している。テーマを描くことに失敗したハウルとは大違いだ。

あんまり魔法は使わない方がいいんだ、って言いながらホイホイつかってるのは何なんだろうと思ったが、それも別にいいや。コンティニュアルライトとかかなりかっこよかったし。

ああ、それと「まことの名を差し出せ」といった表現は、あれは実にヨーロッパ的で面白かったね。日本もそもそもはそうだったようだが、通り名と本当の名前というのは別物だったんだってね、古来。ヨーロッパの一部では、今でもおそらくその文化はあると思うよ。詳しくはWikipediaの「人名」で調べてください。

ま、そういうわけでゲド戦記は、つまんなかったけど、ごく一般的な駄作レベルだった。ある意味逆に残念でした。


寸評:作画と声優のレベルが圧倒的に低い。すぐ改善できる課題だと思うので、がんばって改善してください、世襲監督。お前がいなくてもジブリのスタッフだけで映画が作れるというのを証明した作品。
評価:★☆☆☆☆☆(1/6)

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