ほし | ★★★☆☆ (3/5) |
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寸評 | 羊たちの沈黙シリーズ。稀代のシリアルキラー、ハンニバル・レクター博士が警察に捜査協力をしながら陰で人殺ししまくる、っていう話。 レクターがバカスカ人を殺しまくるのが、あまりにも日常に溶け込んでいるので観ている方ももはや「またやっとる」ぐらいのカンジになる。感情の起伏を失うレベル。 で、まぁレクターは他の殺人事件を隠れ蓑にして殺しをしたりするんだけども、それを捜査する側の FBI ウィル・グレアムが余りにも精神的に不安定。レクターが人を殺しているかなんてどうでもよくて、ただウィルの人格が破綻してしまわないかヒヤヒヤする。 振り返って考えると、レクターが何をして誰を殺したかはよく覚えてない。それぐらいレクター博士が行う「殺人」という残酷な行為およびその後の狂人的行動についてはほんのオマケになっているという、なんとも奇妙な感覚のドラマ。 サイコスリラーといえばサイコスリラーなんだけど、ウィルの精神病という意味でのサイコスリラーかもね。 |
僕、いまいち「羊たちの沈黙」覚えてないんですよねー。そもそも観たことあるのかな? 無い気がする。
「レッド・ドラゴン」は観たんだけどなぁ。
なんかうっすらと記憶に残ってるのは「羊たちの沈黙」と「氷の微笑」が似たような時期に公開されてたような……。そんでどっちもやたら騒がれていたような……。
そんな曖昧なカンジ。そしてそれしか覚えてねぇ。
やっぱ観てねぇじゃねぇか。
ところで話は逸れるけども。
今だったら邦題なんてつけないんだろうねぇ。「羊たちの沈黙」ってね。日本語としても収まりがいいし、いい邦題だと思うけど。
原題 "The Silence of the Lambs" なんだね、今調べた。直訳かよ!いい邦題とか言った直後だから居心地悪いわ。
でも「キャッチミーイフユーキャン」とか「キリングミーソフトリー」とか、2000年代はいると直訳すらせずに行くの多いよね。そもそも最近邦題つく話題作ってなんかあったか?
指輪物語ですら、ロードオブザリングだし。あー、ハリー・ポッターと賢者の石? ナルニア国物語? うーん、そういうんじゃなくて……。
「風と共に去りぬ」みたいなさ。まぁ一歩ゆずって「インディージョーンズ」みたいなんでもいいわ。「スタンドバイミー」式でもいい。日本人への伝わりやすさ優先みたいな。思い浮かばないよなぁ。
なんて思って調べてみた。そしたらとんでもない超大物がいた。
「アナと雪の女王」、原題 "FROZEN"。
原題そっけなさすぎるだろうと思うけど、このご時世でよく「邦題つけちゃいましょう」って決めたよね。えらい。
「アナ雪現象」なんてちやほやされてたのが「フローズン現象」になってたかもしれないわけで、そんなに凍ってちゃ盛り上がるものも盛り上がらないよね。
……あぁ、えっと何の話でしたっけ?広島が弱くて仕方がないって話でしたっけ。そもそも、元から弱いと思って見るのと優勝も狙えると思って見るんでは、見てる方のテンションだってずいぶん違うわけですよ。年々強さを増していく広島を見て、さらに黒田が帰ってくるなんていう奇跡もあり、いやがうえにも……
ハンニバルですね。知ってました。
まぁ寸評にも書いたけど、もはやレクターが行う殺人は視聴者にとって脅威や恐怖の対象ではなくて、その部分にスリラー的な要素はほとんどない。
「どうせ捕まらないんでしょ」っていうストーリーのバックボーンも相まって緊張感皆無。ただただ快楽殺人を眺め、スプラッタ的な要素に目を逸らしたくなり、その3分後にはそもそも殺人をしたことを忘れてる。
もはや視聴者側のスタンスは快楽殺人者と同じなのかもしれない。「どうやって殺すのかな(ワクワク)」みたいな。でもグロいのとか惨いのとか見ても楽しくなるわけじゃない。なんだろね、この変な感覚。早く次を殺してほしいけど、惨いのを見たいわけじゃない。
うーん、物語のプロットのせいかな?ウィルの活躍を見たいけれど、直近の殺人は手詰まりで先に進めない。次の殺人で何か手がかりがつかめるかもしれない……ウィルがんばれ! だからレクターはやく次を殺せ! みたいな? うーん。自分の感情がどこに起因しているかいまいち分かりませんな。
まぁそんな視聴者が活躍を期待するウィル・グレアムですけど、なんかの病気の影響で夢遊病だったり意識が飛んだり、記憶が断片化したり。
そんな状態だからウィル自身が自我を保てない。行き着く所までいってしまって、殺人事件を起こしたのは自分なのではないか……みたいな感じになったりする。
超~不安定。主人公がサイコって。そんなドラマありうるか? なんか過去あったような気もするが……。まぁ稀有でしょ。
サイコの主人公ががんばってサイコを追いかけるドラマ……。なんとヘンテコな構図! まぁそれがこのドラマの面白いところでもあるんだけど。
元々ウィルは「犯罪者の犯行時心情・心理を追体験することで犯人を割り出す」という、まぁいわばプロファイリングのプロっていう描写が最初からされてる。それが「ミイラ取りがミイラになる」の路線になっていく。ただの凄腕プロファイラーでもよかったような気もするが。まぁそれは制作側の趣味。ずっとレクターの殺人だけを描いていくと、スゴ腕プロファイラーのはずなのに一向に犯人捕まえられない木偶のスティックになってしまうし。
ま、そこは他の殺人事件を解決させて、レクターはその犯人に罪をなすりつける形で自分の殺人を行う、みたいな構図でも行けた気はするけどね。
ウィル自身の「犯人を追う→実は犯人は自分なのでは……?」という疑念は、ゆくゆく訪れるレクターへの「犯人は、警察に近い心理学のプロなのでは?」という疑念にスライドしていく描写もできるだろうし、構図として比例していて面白そう。
ただなぁ。「レッドドラゴン」で逮捕に至るシーンを描いてしまっているので、レクターに疑いの目が向くのはだいぶ先の話になってしまうんだよなぁ。 15 年とかそういうレベルで。
なのでハンニバルは今後もレクターがサクサク殺してパクパク食べてモリモリ育つのを繰り返すことが目に見えているわけで……。
映像演出はステキなので、ヒマで他に観る物が無いなら続き観よう……って感じかなぁ。
4 件のコメント:
comment id : 3079475520542871009
ライ麦畑で捕まえて
comment id : 6915101752341835050
いはさ君、匿名でそれだけつぶやいても意味わかるわけないやろ
comment id : 6835631101865510365
羊たちの沈黙のクラリス・スターリンは私の中だけかもしれませんがxファイルのスカリーのキャラにかぶるんです。このドラマのハンニバルはなんかスーツが高そう的な印象しかのこってないんですよね。そして主人公がどんどん追い詰められてかわいそうになってきます。
comment id : 9145641487019680940
まーなんとなく言いたいことは分かる気がしますね。何かと振り回してくる相手とうまいこと会話をして答えを導き出すカンジ。ま、僕は覚えてません(っていうかたぶん観てません)けど。
スーツが高そうw 確かにw 私もいい部屋だなぁとかいい家具だなぁとか、確かにそんなことばかり印象に残ってます。あんまり中身のあるドラマじゃーないですね、正直。
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