ほし | ★★★☆☆ (3/5) |
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寸評 | 主人公たちの繰り出す詐欺の手口は、妙にリアリティがある。だから観てる時に「そんなバカな」みたいな興ざめは、ほぼ起きない。 視聴者納得の詐欺。やっぱそこが成り立たないと詐欺しかける話は成り立たないよね。 面白みある詐欺ネタ、ひっかけがいのあるターゲット、そこに主人公チームの役者陣の力の抜けた演技が加わることで、なんだか実に心地良い展開になる。 日本のドラマでこんなにストーリーがちゃんとしてて、かつ力を抜いて観られるドラマはなかなか無い。オススメの良作。 |
U-NEXT に入れば借王が観られるってさ |
※借王は同名で複数の映像作品化されてるので注意。
今回私が書いているドラマは、正確には「借王〈シャッキング〉-銭の達人-」というタイトルらしい。
以降ネタバレが含まれています。
主人公達が詐欺師
「クライムファンタジー」モノというか、まぁこれはそういうお話。主人公チームは汚職刑事の寺島進、精神科医の堀部圭亮、会計士事務所勤務の西田尚美。
それぞれが、それぞれの理由で2億の借金を抱えているという冒頭の入りである。
まず最初は「取り込み詐欺」で悪そうな不動産屋を騙して3億円とっちゃおうってー話。
まぁ詐欺について詳しくないんだけども、そんな素人目線だとみょーにリアリティのある話の筋なんだよね。
3億円騙し取るために、ざっくり言うと以下の流れで取る。
- 騙す相手に、6億円の価値のある土地を買う話を持ちかける。
- 土地は現金取引が基本だが、小切手で取引させ、その小切手を不渡りにする。
- 不渡りが判明する前に土地ブローカーに3億円で売る。
しっかり説明する悪徳刑事さん |
これだけだと「ね? 簡単でしょう?」みたいな話なんだけど、結局ドラマとして面白いかどうかは「どうやってその展開に持ち込むか」って所よね。
どうやって騙すかが面白い
なるほど、やる事は単純だが、しかしどうやって相手に信じ込ませるの?って疑問に思うでしょ?そこからが結構面白い。
精神科のお医者さんという職業を活かして、相手が前のめりに食いついてくるように会話を進める。
会計士事務所という職業を活かして、「いかにも土地を買いそう」な信用の篤い企業を選定する。
知能犯担当の刑事という職業を活かして、「土地を買いそうな企業」のフリをして成りすますための休眠会社を買ってくる。
なるほどなるほどー、各人の得意分野を活かして詐欺るわけですね〜?
しかもダメ押しに「6億円の価値がある土地から、遺跡が出る」という嘘情報を流し、相手の焦燥感を煽って煽って小切手の取引に応じさせてしまうというね、結構痛快なストーリー。
実際観ていても騙されている側の立場に立っちゃって「あっ、あっ」て思ってたよ。少し口から出てたかもしれない。
だってこのドラマ、ちょっとそういう詐欺のシーンはコメディタッチな時もあるんだよ。
だからついつい半笑いで「あ〜あ」とか「あっ、騙されちゃうよ、あっあっ!」って声が出ちゃう。
気楽に観られるのが(俺には)グッド
遺跡を発掘しているおじさんの演技している寺島進とか笑わせようとしてやってるし、誘拐される西田尚美とか緊迫感なく連れ去られて、緊迫感なくこっそり電話で居場所伝えて、緊迫感なく縛られてるし。どこかしらちょっと「不真面目」な感じが出てる。
ぶっちゃけ、それが嫌だ、安っぽいって思う人は少なくないかなって思ってはいる。
私はそういうのはあまり気にしない方なので平気だった。安っぽい演技も、コミカルな演出の一部として考えればそんなに引っかからないというカンジ。
ヘタクソってわけじゃなくて、あくまで安っぽいというのが逆に心地良い。なんだろうか、座椅子に腰掛けて「ふぁー、疲れたー!」って言いながら観るドラマ、とでも言おうか。
全然肩肘張らない。ながら見オッケー。
それでいて詐欺は妙にリアルで、でもどこかコミカル。
こういう「気楽に観られるドラマ」って案外無いんだよなぁ。私はそういうドラマも、それはそれで好きなので好評価です。
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